映画「ゴーギャン タヒチ、楽園への旅」南太平洋の自然に覆われた楽園へ ヴァンサン・カッセル迫真の演技
映画「ゴーギャン タヒチ、楽園への旅(2017年)」を見ました。
1891年、貧苦にあえいでいたゴーギャンは、新天地、南太平洋フランス領タヒチへ旅立ちます。島でも貧乏が絶えません。咳もほどくなります。それでも絵を描き続けます。 彼の画室には、やっぱり北斎の「神奈川沖浪裏」が飾られています。この最悪の状況で、美少女テフラと運命的に出会い、愛し、彼女をモデルにたくさんの絵を描きます。でも貧乏は続き、妻に満足な生活をさせてあげられません。
映画ではテフラとの別れによる喪失感からパリへ戻る。こんなシーンで終わります。
この映画ではアヴァンギャルドの新騎手を担うかのように、仲間たちから祝福され旅立つ場面があります。友人達の前で次のように言われます。映画開始10分ほど経過した場面です。
- 「ポールに乾杯! おめでとう。成功を祈ってる。」
- 「地の果てが君が選んだ道」
- 「君は我々の英雄だ」
- 「生活のため現状に甘んじる芸術家どもとは違う」
- 「彼はあらゆる道徳的概念を捨てたのだ」
- 「性にまつわる倫理も、宗教的な道徳観も。。。。。。。。。」
- 「君は野蛮人なのだよ。われらと同じく」
このシーンは全体で約1分半ありますが、ゴーギャンは一言も発しません。何もしゃべることはなく、表情だけで演技します。見事です。ゴーギャンの表情からは「堕落した西洋文明に絶望して、パリから南太平洋の自然だけに覆われた楽園へ脱出したい」こんな想いが感じられます。
ゴーギャンを演じるはフランス俳優、ヴァンサン・カッセルです。 ゴーギャンの手記『ノア・ノア』を読み、タヒチ語も習い、この役作りのために絵画と彫刻のレッスンを受け、10キロ減量したようです。まさに迫真の演技でした。
ヴァンサンは映画の中で、13歳から14歳の現地の少女3人と結婚をします。私生活でも昨年11月、52歳にして、30歳下の21歳のモデルと結婚しました。映画の影響もあったのでしょうかね。
また、 マリック・ジディというフランスの俳優が現地の医師役で出演しています。
映画「画家モリゾ、マネの描いた美女 名画に隠された秘密」でもエドゥアール・マネとして準主役で出ています。
最後はボートでパリに帰る場面で映像は終わり、最後にテフラをモデルに描いた6点の絵が流れます。
- パラウ・アピ
- アハ・オエ・フェイイ(妬いてるの?)
- 一人で
- 死霊が見ている(マナオ・トゥパパウ)
- メランコリー
- テハーマナの祖先たち(メラヒ・メトゥア・ノ・テハーマナ)