2020年10月 金沢1日目 ひがし茶屋街は旦那衆と芸妓が繰り広げた茶屋遊びの粋な世界

東内惣構跡枯木橋

金沢駅でSAMURAIパスポートを購入。SAMURAIパスポートは1000円。2日間、金沢城の菱櫓、五十間長屋、橋爪門続櫓、兼六園の他、10の施設が入場可能です。文学、芸術が好きな方は大変お得です。ただ「同じ施設に何度でも入れる」とありますが。。。その後、金沢白鳥路ホテル山楽へ。荷物を置いてすぐ出発です。

ホテルから500m程歩いて行くと突然、『東内惣構跡枯木橋』と書かれた看板に遭遇しました。

惣構」とは、城下町を囲い込んだ堀や、堀の城側に土を盛り上げて造った土居などの防御施設のことです。

金沢城下町には、慶長4年(1599年)に造られた「内惣構」と、慶長15年(1610年)に造られた「外惣構」が二重に巡っています。金沢城から見て東西に分かれているため、「東内惣構」「西内惣構」「東外惣構」「西外惣構」と呼ばれ、全長約9キロメートルに及ぶそうです。

左に主計茶屋街を横目に進みます。「浅野川大橋」を渡るともう右手はひがし茶屋街です。

浅野川大橋は大正11年に作られたもので、国登録有形文化財になっています。

鉄筋コンクリートの3連充腹アーチ橋となっており、アーチ環を目地付きコンクリート洗出し、橋脚の水切部には花崗岩(墓石で御影石といえば普通この花崗岩)とのこと。またスパンドレル部(アーチと路面の間の壁)がドイツ壁風ということなので、帰りによく見てみようと思います。

ひがし茶屋街の黒い瓦屋根とキムスコ

江戸時代、城下のお茶屋を集めて誕生した茶屋の町で、金沢には、ひがし茶屋街、主計茶屋街西茶屋街と3か所あり、このひがし茶屋街は平成13年、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。

Wikipediaでは次のような説明があります。

「南北約130m、東西約180m、約1.8haで、保存地区内の建築物140のうち約3分の2が伝統的建造物であり、茶屋町創設時から明治初期に建築された茶屋様式の町家が多く残る。。。。江戸時代、城下町近郊を流れる犀川・浅野川両界隈に多くの茶屋が立ち並んだ。文政3年(1820年)、犀川西側に「にし」の茶屋町、浅野川東側に「ひがし」の茶屋町が共に開かれ、大いに賑わった。この際、旧来の不整形な町割は改められ、整形な街区が形成された。」

Wikipedia

茶屋街は1820年、今からちょうど200年前に建てられています。

石畳の両脇には、黒い瓦屋根と木虫籠(キムスコ)と呼ばれる美しい出格子のある町家が迎えてくれます。このキムスコは外から中はあまり見えず、内側から外はよく見えるよう、プライヴァシーも確保されています。昔の人の発想と技術に驚かされます。

金沢ひがし廊「志摩」- 旦那衆と芸妓が繰り広げた粋な世界

金沢ひがし廊「志摩」を見学しました。ひがし茶屋街の誕生と同じ文政3(1820)年に建てられたお茶屋で、国の重要文化財です。

順路に従って、吹き抜けの階段を上がると、2階の客間と舞や遊芸が披露されたひかえの間があります。「広間」「中の間」「全座敷」「はなれ」の部屋が4つ、3つの「ひかえの間」といった構成です。

「茶屋遊びの粋」について説明書きがありました。要約します。

ひがしの茶屋文化は、茶屋遊びのために互いに労を惜しまず、自分を磨き続けた「粋」を至上とする芸妓たちと旦那衆によって守られてきた文化である。客と芸妓がひとときの空間を共有し、どちらも芸に興じてこそ茶屋遊びの「粋」は成り立つ。 最上の客とされるのは芸妓を楽しませるほどの懐の広さを持った者であり、最高の芸妓とは客に我を忘れさせる術を身につけた者を言う。 旦那衆は、芸をたしなみ酒脱な心がなければ、芸妓が捧げる優雅で粋な場面を楽しめるはずもなく「野暮」とされる。また贅を尽くした空間に遊ぶ、芸と美の後援者でもある。

「茶屋遊びの粋」説明書き

この「茶屋遊びの粋」をじっくり読んでから二階を見渡すと、往時の旦那衆と芸妓が繰り広げた粋な遊びを想像できます。芸妓(げいぎ)は芸者・芸子のことで、京都では”げいこ”と呼ばれます。

一階に降りると、「台所」「帳場」と、「茶の間」「奥の間」「見せの間」と女将さんや芸妓、お手伝いさんの部屋があります。

石室(いしむろ、石組み造りの地下貯蔵庫 →帳場 →「春日燈灯」、「月見燈灯」、「槍燈灯」が並んだ庭

井戸・石室なども創業当時のままに残っており、排水は石造りの水路から裏側の用水へと導かれている。また、お茶屋はあくまでも遊芸を楽しむ所で料理は仕出し屋等から取り寄せられていた。

「台所」説明書き

人も少なかったので、粋なお茶屋の世界をゆっくり堪能させていただきました。評判通り、江戸時代の雰囲気をたっぷり味わいひがし茶屋街を後にして、浅野川に沿って料理屋や茶屋が立ち並ぶ主計茶屋街へ。夕暮れ時だったからなのか、人影もまばらでひっそり静まり返っていました。

川沿いを歩いていると、ちょうど、浅野川大橋がライトアップされたのでビデオに収めました。

夕食をとってから、金沢城のライトアップがどんなものかちょっと見てきました。

妻から一言「うーむ。綺麗だね。。。でも中途半端かな。」確かに。。。

ホテルに帰って、まずゆっくり温泉に浸かって、足にはシップを貼って寝ました。明日の昼の金沢城と兼六園に向けて。。。

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